HR2010-01 録画したいときに録画できません デジタルビデオレコーダー

HR2010-01

録画したいときに録画できません
デジタルビデオレコーダー

2010.02.26 笠原

調査のきっかけ

デジタルビデオレコーダーのイメージ

2010年も気が付けば2か月が経ちました。何かと忙しい年度末。それでも楽しいテレビ番組は見たい。そんなときに活躍するのがビデオレコーダーです。

ビデオテープに録画していたのはもう昔の話。今では録画媒体がハードディスク(以下HDD)やDVDの「デジタルビデオレコーダー」が当たり前になりました。ブルーレイディスク(以下BD)搭載のデジタルビデオレコーダーもかなり普及した感があります。録画予約も、電子番組表の登場でとっても便利になりました。新聞のテレビ欄を見ながら日時を設定して…といったことはやらなくて良くなりました。

私自身も遅ればせながら昨年の定額給付金で初めてのデジタルビデオレコーダーを購入しました。ビデオテープをセットしなくても予約するだけでどんどん番組が録画できることの便利さに軽い感動を覚えてしまいました。

しかし、楽ちんな生活も長くは続きません。大容量HDDとは言え有限です。あっという間にまだ見ていない番組がたくさん溜まってHDDはいっぱいになり、録画した番組を見ることに追われる状況になってしまいました。そこで、家にあったDVDにダビングしようとしたら「CPRMに対応していません」と言われました。仕方がないのでCPRM対応のDVDを買ってきてダビングしました。ダビングしたDVDを自分の部屋のパソコンで見ようとしたら、今度は「このパソコンじゃ見られません」と言われる始末。

そんなこんなで、「便利だけどなかなか大変」というのが私がデジタルビデオレコーダーに対して持った印象です。「世間の方々もきっと同じような体験があるに違いない!」と思い、アンケート調査をしてみました。

アンケート調査の実施

当社にいつも協力してくださるモニタ登録者の方と当社スタッフの中で、デジタルビデオレコーダーを所有・使用している方に、デジタルビデオレコーダーの使用状況について、アンケートで質問しました。

    1. 所有しているデジタルビデオレコーダー(録画メディア別)
    2. 録画した番組のその後の取り扱い方法
    3. 録画やダビング、番組の管理などで困ったこと

アンケートにお答えいただいた方々

19歳から78歳までの男女、全46名の方から回答をいただきました。

デジタルビデオレコーダーを所有している人の年代別人数

所有しているデジタルビデオレコーダー(録画メディア別)

所有しているデジタルビデオレコーダーの種類

DVD&HDDレコーダーを持っていると回答した方が23人と最も多かったです。販売期間やメディアの普及度合いから見て、予想通りの結果です。HDDレコーダーと回答している人が9人いますが、他の質問への回答内容から、DVD&HDDレコーダーのことをHDDレコーダーと回答していると思われる人が含まれていますので、実際にはもっと多いと思います。その他にもBD&HDDレコーダー、HDD内蔵テレビなど、HDD内蔵レコーダーの所有率が非常に高いことがわかります。

HDDを内蔵していないDVDレコーダーやBDレコーダーを持っている方もいましたが、それらの方はいずれも、別のHDD内蔵レコーダーも持っていました。

録画した番組のその後の取り扱い方法(HDDに録画した場合)

テレビ番組をHDDに録画した場合に、録画した番組をその後どのように取り扱うかを、最も良く行うものから順に順位をつけてもらったところ、下のグラフのような結果になりました。

1位という回答が最も多かったのは「1度〜数回見た後消去する。ダビングはしない。」でした。映像を永久保存しておくためではなく、リアルタイム放送を見ることが出来ないから録画して後から見るという目的のために使う人が多いことが伺えます。

2位という回答が最も多かったのが「1度〜数回見たあと、ハードディスクに保存したまま。消去もダビングもしない。」でした。既に見た録画番組をなぜHDDに保存したままにしておくのか、その理由は今回の調査結果からはわかりませんが、この行動がこの後ご紹介する「困ったこと」の原因になっているのは明らかです。

3位という回答が最も多かったのが「録画したあと、DVDなどにダビングし、HDD内の番組は消去する」でした。永久保存したい映像の取り扱いとして最も一般的な行為だと思いますが、この行為の中にたくさんの「困った」が隠されていました。もしかしたら、この「困った」経験のせいでダビングをあまりしなくなったのかもしれません。

「録画しても見ない。消去もダビングもしない。」が1位〜2位という回答が合わせて5件ありました。この人たちはいったい何のために録画したのでしょうか?

録画した番組の取り扱い

録画やダビング、番組の管理などで困ったこと

デジタルビデオレコーダーを使ってきて、これまでに録画やダビング、番組の管理などで困ったことを自由記述と、該当する事例から選択する方法の2種類の方法で答えてもらいました。

まずは、個別の事例で多くの人が体験している「困ったこと」BEST3をご紹介します。

第1位
今見ている番組をすぐに録画しようとしたが、うまくできなかった。 16人

うまくできなかった原因は、「起動に時間がかかる」「録画設定に手間取る」といったことが挙がりました。確かに、デジタルビデオレコーダー、特にHDD内蔵のタイプは電源ボタンを押してから実際に操作を受け付けるようになるまでに時間がかかるものが多いです。また、録画するために録画モード(画質)を選ぶ必要があったり、HDDなのかDVDなのか録画先を選ぶ必要があったりします。今見ている番組を録画することは、最も基本的な録画方法のように思いますが、意外と落とし穴が多いようです。

第2位
録画できる容量が足りなくて、見たい番組を録画できなかった。 14人

ビデオテープを使っていた時代でもあった「困ったこと」ではありますが、HDDレコーダーが主流になった今ではその困り度は更に大きくなっています。ビデオテープならテープを取り替えれば済んだ話ですが、HDDの場合は、DVDにダビングする、番組を消すといった作業をしなければ、録画容量を確保することができません。

前出の「録画した番組のその後の取り扱い方法」でご紹介した「1度〜数回見たあと、ハードディスクに保存したまま。消去もダビングもしない。」という人。録画できる容量が足りなくなった人はきっとこんな番組の取り扱い方法をしている人なのでしょうね。500GBとか1TBとかの容量を持つ製品が当たり前になっているHDDレコーダーですが、いくら録画容量が増えても番組を保存したままだと、結局すぐに容量が足りなくなります。

第3位
テレビ番組を録画したDVDをパソコンで見ようとしたところ、パソコンが古くてデジタル放送のDVDは見られなかった。 11人

これはテレビ放送が地デジになってから増えた問題と言えます。

地デジなど著作権保護信号がかかった番組をDVDに録画やダビングするには「CPRM」という著作権保護技術に対応したディスクを使用しなければ録画やダビングはできません。このCPRM対応のDVDを再生するにはこれまたCPRM対応のプレーヤーでないと再生できません。現在最も家庭に普及しているであろうWindowsXPのパソコンだと、そのほとんどがCPRMに対応していないDVDドライブ、DVD再生ソフトが搭載されていると思います。従って、普通の人は、地デジを録画したDVDをWindowsXPのパソコンで見ようと思っても見られないということになります。

「コピーワンス」「ダビング10」という言葉が独り歩きしている感のある地デジのダビングの制限は、ただ「見る」という行為も制限していることがわかります。

次は、全体としてどんな状況で「困ったこと」が発生しているかを集計した結果です。

使用状況別「困ったこと」回答数

最も多かったのが「予約録画」と「ディスクへのダビング」をしているときでした。

1つの事例として集計するとリアルタイム録画の「困ったこと」が最も多かったですが、使用状況別に集計すると予約録画の方が圧倒的に多くなりました。予約録画には多くの操作手順がある分、「困ったこと」のバリエーションも増えています。

「録画予約」に関する「困ったこと」

「ディスクのダビング」はHDD&DVDレコーダーをお持ちの方なら必ず通る関門と言えるでしょう。レンタルビデオやセルビデオのメディアとしてはとても扱いが簡単で便利なディスクですが、いざ録画やダビングをしようと思うと一気に難しいものになってしまいます。中には、コピーワンス制度が始まるときに問題の例としてよく挙げられていた「ダビング中のエラーによって録画した番組が見られなくなる問題」を実際に体験した人が6人もいました。

「ディスクのダビング」での「困ったこと」

その他の興味深い「困ったこと」をいくつかご紹介します。

調査の感想

既に広く普及したデジタルビデオレコーダーですが、多くの人が困った経験を乗り越えて使っている様子を伺うことができました。(実は乗り越えられなくてあまり使っていないのかもしれませんが。) デジタルビデオレコーダーは「テレビ放送を録画して、見る」という非常に身近で便利な製品ですが、いろいろな規格や業界のルールに惑わされることがたくさんあり、お世辞にも「わかりやすい」製品ではないようです。

また、HDD内蔵レコーダーはやっぱり録画した番組を溜め込みがちになり、それが結果的に「困ったこと」を引き起こしていることがよくわかりました。ディスクへのダビング操作がもっと簡単になれば、この問題も少しは解決しそうにも思いますが、実は機器のユーザビリティとはまた違った観点の、人間の本質的な何かと絡んだ、非常に難しい問題かもしれません。

録画した番組は時間のあるときにこまめに見て、こまめにディスクにダビングして、こまめに消す。これが今回の調査で得られた教訓です。録画したらダビング済みディスクも同時に作ってくれるデジタルビデオレコーダーがあればいいのになぁ。


2010.02.26作成 2011.09.07フォーマット修正