HR2009-06 近頃は写真を飾るのも一苦労!? デジタルフォトフレーム

HR2009-06

近頃は写真を飾るのも一苦労!?
デジタルフォトフレーム

2009.06.30 橋本

調査の背景

デジタルフォトフレーム 調査の様子

近頃注目されている家電製品のひとつに、「デジタルフォトフレーム」があります。家電量販店では広い面積が「デジタルフォトフレーム」の売り場となっていて、注目の高さが実感できます。

この製品は、デジタルカメラで撮影した画像が保存されたメモリカードを本体に挿入することで、スライドショー形式で画面上に次々と表示することができるものです。製品によっては動画や音楽も再生できたり、無線LANや赤外線通信、そしてメールで画像を送信できるものなど、さまざまな製品が市販されています。

この製品の特徴として、自分が写真を楽しむために買うというだけでなく、子供の写真を入れて遠隔地に住む両親や親戚に送ったり、結婚、出産などの記念品としてプレゼントするケースが多いと思われます。実際に「田舎に住む親御さんへのプレゼント」「結婚・出産の記念に」といった謳い文句で商品展開をしているメーカーが多いようです。

実は私も、子供の出産記念としてデジタルフォトフレームを友人からプレゼントしてもらいました。早速子供の写真を入れて楽しんでいるのですが、これを実家に住む両親にプレゼントすれば、子供(孫)の顔をいつでも見てもらえると思い、同じものを購入して子供の写真画像を入れて両親にプレゼントしました。

自宅においてあるデジタルフォトフレームは、自分で写真を保存し、随時写真を自分でアップデートして使っていますが、両親はまったく機械の操作に疎いので、私が実家に帰るたびに、写真の内容をアップデートするといった面倒なことになっています。意外とこのような苦労をされている方も多いのではないでしょうか。

そこで、今月のマンスリーレポートでは、デジタルフォトフレームを贈られた人が製品を使う場面を想定して、被験者の方に実際に製品を使ってもらい、どのような問題が発生するのかを検証してみました。

調査のやり方

デジタルフォトフレームを使ったことの無い人に被験者になってもらい、以下の要領で製品を使ってもらいました。

今回のテストに参加してくれた被験者は以下のような方です。

被験者には、以下のような想定で製品を使ってもらいました。

被験者にお願いしたタスクは以下の通りです。

タスクの結果

5つのタスクを実施した中から、今回は「タスク4」をとりあげて、被験者が実際にとった行動から、発生した問題と、その原因を分析してみたいと思います。

(1)被験者が実際にとった行動

下の図は、タスク4のゴールにいたるための正しい手順(左の列)と、被験者が実際にとった行動(右の列)を並べてみました。被験者の行動の中で、黄色い枠は、被験者のつまずきがあった手順を示し、赤い字は、被験者が自力で解決できなかった手順での行動や、そのときの被験者のコメントを示しています。また、グレーの枠で囲まれた部分は、進行係が助言した(操作の助け舟を出した)部分です。

【タスク4:メモリカードの画像を本体に保存し、本体の画像をスライドショー表示する】

図を拡大する

リアルタイム放送視聴時間(時間/週)

図を拡大する

いかがでしたか? 本来の手順と比べて、タスクのゴールに至るまでに何回かつまずいていることがおわかりいただけると思います。

(2)原因と改良の方向性

被験者が自力で解決できない手順が2つありました。この手順での問題とその原因、そして改良の方向性を分析しました。

リアルタイム放送視聴時間(時間/週)

デジタルフォトフレームは、メモリカードに保存された画像と、本体に保存した画像の両方を取り扱う可能性があるので、”どちらの画像が今表示されているのか”がわかることは非常に重要だと思います。もし判断を誤ってしまうと、メモリカードに残しておきたい大切な画像を間違って削除してしまうかもしれません。

しかし、スライドショー中に画像の保存場所をそのまま表示するのは、あまりスマートな方法ではない気がします。ここはひとついいアイデアで解決することはできないものでしょうか?

画像一覧を開いた際に、取り込んだ画像がすぐに見つけられないという問題からもわかるように、作業の結果を即座に確認できないと、使い手は非常に不安を覚え、誤解を招くことにもなります。やはり改善が必要な問題といえると思います。

感想

今回の被験者は、パソコンにも親しみがあり、デジタル家電に関しても興味や知識がある方だったので、実はあまり問題は発生しないのではないかと思っていましたが、今回ご紹介したタスク以外にも意外と多くのつまずきが見られました。実際にはもっと年齢の高いユーザや、知識の無いユーザが使用することが想定されるので、実際にはもっと多くの問題が起こっているのではないかと思います。

私の両親はメモリカードを使ったことが無く、メモリカードについての知識も無いので、本体にあらかじめ保存した画像を楽しんでもらっています。でも、せめてメモリカードの抜き差しで違う写真を楽しんでもらえるようになればと思っています。近々、実家の家族にもタスクを与えてみようかと思っています。


2009.06.30作成 2011.09.07フォーマット修正