HR2009-02
2009.02.27 田渕
子どもが3歳になる頃には、自我意識が芽生えて身の回りの物に関心を示すようになります。
時々、当社のユーザビリティテストやインタビューに参加した被験者の方からも、調査テーマとは別に、「子どもが勝手に操作して・・・をやってしまった。」とか「チャイルドロックをつけて欲しい・・」など、幼児が勝手に製品を操作して困った体験談を伺うことがあります。
私自身も幼児の頃(何と36年前!)は、電化製品のコンセントを勝手に抜いたり、扇風機の羽を触ったり、電話のダイヤルやTVのチャンネルを回したり・・・と、いろんな悪さをしたようです。
そこで、多くの電化製品に囲まれて生活している今の幼児達は、一体どんなことをしてしまうのか調べてみることにしました。ただ、3歳にもなれば意図を持っていろんな機器操作を一人でするよ、と子を持つ社内スタッフから聞いたので、とりあえず調査対象年齢は3歳以下としました。
当社に登録していただいているモニターの方や、現在小学生以下のお子様がいらっしゃる親と当社スタッフに、メールやFAXでアンケートをお送りし回答にご協力頂きました。アンケートでは2つの質問をしました。
質問1:
1)あなたのお子様(3歳以下の幼児)が勝手に製品を触って、どんな操作を一人でやってしまったことがあますか? そして、勝手に操作されてあなたやご家族はどんなことで困りましたか、またどんなことが不安になりましたか?
2)子どもの性別、当時の年齢、製品の種類、メーカー、機種名
質問2:
質問1でお答えいただいた件について、メーカーに対する要望等がございましたらお書きください。
アンケートを返送していただいた26人中から有効回答の22人(女性16人、男性6人)について集計しました。ちなみに、50代と60代の方はお孫様をお持ちの方です。
回答したいただいた方のお子様やお孫様は、計27人(男の子14人、女の子13人)。男の子が圧倒的に多くなるのでは、と予測していましたが、そんなことはありませんでした。
幼児27人で計41件の回答が寄せられました。
集計の結果、幼児が勝手に触る製品の第1位は携帯電話(6件)でした。第2位はパソコン(5件)。第3位はVHSまたはDVDのビデオデッキ(4件)でした。(棒グラフ) この3機種で半数を占めています。全体的にどの製品も日常的に使用するもので、子どもが触れないようにしまい込んでおくのが難しい製品が多いのが特徴です。
特に携帯電話は、一人一台所有する使用頻度の高い小型電子機器であり、形もカラーも様々なだけに触りたくなる恰好の対象なのでしょう。
これらの製品を触ってどんな操作をしているのでしょうか。幼児たち元気あふれる行為を詳しく見てみましょう。
第1位:携帯電話
一番多かったのが電話を掛けるることでした。携帯電話は、簡単なボタン操作で着信や発信履歴から電話できるようになっているため、いじっている内にかかってしまうことが多いようです。また、アドレス帳では“一番上に表示されている人”に掛けることもあるようです。(2歳/女の子、2歳6ヶ月/女の子) 名前が“ア行”からはじまる方、身に覚えはありませんか?
困ることは、当然ながら掛けた相手に迷惑を掛けてしまうことです。
キーの長押しによるロックでは、いつかは破られてしまう恐れがあるようです。暗証No.を設定しておくなど更なる対策が必要かも知れませんね。
第2位:パソコン
さすがに、ネットに接続してピザを注文するようなことはないようです。でも、使用中に突然電源を切られるとデータのみならず、大きなダメージをパソコン本体に与えるのでこれは要注意です。最近のデスクトップパソコンは外観がシンプルで、目立つのはLED付きの電源ボタンぐらい。だから子どもは押してみたくなるのでしょう。
困ることや不安なことでは、操作することよりもむしろ壊されるという心配です。
第3位:ビデオデッキ(VHS, DVD)
どのケースも、デッキの取り出し口に関することが共通していました。デッキの中にメディアが吸い込まれたり現れたりする様子は興味があるのでしょう。テープの向きまで判断するのは、幼児には難しいかも知れません。
困ることでは、操作中に起こる破損です。また、ビデオデッキは床近くに設置するため、特に幼児の手が届きやすいのです。取り出し口は小さくても、小さな手なら入ってしまうことがあるので製品側でもなんらかの配慮をしていただきたいものです。
固定電話
デジタルカメラ
ガス調理器
車(車内)
など。
メーカーに対する要望では、22人中半数の親がチャイルドロックや保護機能の追加などの対策を望んでいることが分かりました。しかし一方で、大人の不注意で発生するもの、大人が目を離さな注意が必要といった意見もあり、幼児の行為には保護者が責任を持つべきと考えている人もいらっしゃいました。
子どもの勝手な操作を防ぐチャイルドロックがあります。しかしロック機能は、大人には簡単で幼児には難しくあるべきで、この両立は謎解きのような難しい一面を持っていますね。
寄せられた回答を見ると、幼児が製品を触るときはボタンやスイッチを押す行為が主で、製品の種類に関わらず同じ傾向があるように思いました。
今の時代は、器用なことをしなくてもボタンだけの簡単な操作で、いろんなことができる製品で溢れています。押したり、引っ張ったり、叩いたりすることしかできない幼児達が、これらの製品を触れば大人と変わらずちゃんと操作できてしまうということがよく分かりました。
中には偶然とは思えない行為もありますが、それだけ子は親の行為をよく見ており、ものに触れることで経験を蓄積しているのだと思います。子どもの成長は頼もしく見守ってあげたいですが、これは事故から子どもを守り、機器の被害を最小限に留められることが前提です。メーカー側にも充分配慮して頂きたいと思います。
●最後までご覧いただき、ありがとうございました
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2009.02.27作成 2009.07.01更新